ご家族の診療|おひさま 子ども・ファミリークリニック|神戸市中央区の小児科・児童精神科・発熱外来

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ご家族の診療

ご家族の診療|おひさま 子ども・ファミリークリニック|神戸市中央区の小児科・児童精神科・発熱外来

内科一般診療

皆様が日常生活の中で比較的遭遇しやすい急性症状や慢性疾患の継続的な治療とコントロールを行っています。また、専門的な高度医療が必要な場合は、専門の医療機関へご紹介し適切な治療を受けていただけるようにする役割も担っています。

以下に内科でよく見られる症状を挙げています。複数の症状が出ていて「何科を受診したらよいかわからない」といった場合など、お悩みの際はお気軽にご相談ください。

このような症状と疾患の方はご相談ください

  • 発熱や咳、痰、鼻水、のどの痛みなど
  • 頭痛やめまい、立ちくらみがする
  • 腹痛、下痢、便秘、お腹の調子が悪い
  • 吐き気、嘔吐、胃のムカムカ、お腹の張り
  • 食欲がない、最近疲れやすい、体重が減ってきた
  • 花粉症、蕁麻疹、喘息などのアレルギー
  • 湿疹がでる、皮膚が乾燥してかゆい
  • 夜眠れない

日常的に起こりやすい症状でも、適切な検査を行うことで重大な病気の早期発見につながることもよくあります。体調不良や健康に関して気になることがございましたら、何でもお気軽にご相談ください。

一般内科診療の主な病気

かぜ

かぜは正式には「かぜ症候群」といって、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、のどの痛み、咳、痰などを主症状とする上気道(鼻やのど)の急性炎症の総称です。発熱、咽頭痛、全身倦怠感、食欲低下などを伴う場合があります。

軽症で済む場合が多いのですが、突然変異したウイルスなどが原因の風邪症状は気管支炎や肺炎等重症化する場合もあるので油断は禁物です。原因微生物の80~90%はウイルスが占めており、目や鼻・口にある粘膜から感染して炎症を起こします。

原因のウイルスとして知られているものは、現在注目の的となっているコロナウイルスをはじめとして沢山の種類があります。医療機関でのかぜ症候群に対する治療は、直接、原因微生物を取り除くための治療ではなく、症状を軽くするお手伝いをすることが基本です。本人の免疫力が原因微生物を抑え込む力を獲得するまでに体力を温存し、重症化しないためのサポートをすることが大切です。

一般的に1年間でかぜ症候群に罹る頻度は3〜4回だといわれています。かぜの原因ウイルスは毎週のように新しい変異を起こして変わり続けています。ですので、数ヶ月も経てば以前のかぜの原因ウイルスとおなじ種類のウイルスに感染しても免疫が効かない場合もあります。ウイルスの増殖を抑える効果があった薬に耐性を獲得して、薬が効きにくくなることもあります。このような理由で、直接、原因となる微生物を退治するのではなく、その都度自分の免疫力で抑え込むことが現実的になるため対症療法しか行わないことが多いのです。

それでは、なぜ、かぜ症候群の原因ウイルスの一つであったコロナウイルスの変異したものである新型コロナウイルスに対してワクチン開発や内服薬の開発がこんなに進められているのでしょうか。ワクチンなど使わずに、対症療法だけで自分の免疫力を獲得することを待てないのはなぜでしょうか。ワクチンや内服薬の開発に踏み切る判断の分かれ目は、重症化率や死亡者数にあります。

新型コロナウイルスは、いわゆる「かぜ」と呼ぶには重症化する率や、死亡する数がおおく、感染力も高かったのです。そのため、生命の危機とあわせて、経済活動へのダメージが著しくあり、ワクチンによる重症化抑制対策や、内服薬開発が急ピッチで進められています。

それでは、新型コロナウイルスとの戦いはこのまま延々と続くのでしょうか?これまで、人間はたくさんの感染症と時には戦い、その後共生するようにしてきました。生き物は、結果的に自分の子孫を残すように自分を変えていきます。新型コロナウイルスは人間の細胞の中で増えて、自分の子孫を増やしていきますが、あまりに派手に暴れて自分を増やすための人間を殺しつづけると、いずれ自分を増やすチャンスがなくなります。そのため、この瞬間にも発生しているであろう数多の変異株のなかで、ほとほどの感染力で人間を殺さず共存できる程度の弱毒化したものが、今後の時間経過で残っていくことになります。最終的に、普通のかぜと同等に軽症でするようになるのか、インフルエンザと同程度の比較的症状が強めのところで落ち着くのかは神のみぞ知るところです。

医学研究に携わり、行政の中で公衆衛生にも関わったものとしては、やはりワクチンは必要だと思っています。副反応がみられたり、ワクチン接種をしてもさほど感染を抑えられていないようにみえますが、それでも、日本全体という集団の健康リスクを下げるためには、有効な方法だとは思っています。一方で、副反応やワクチンの影響で苦しんでいる可能性が高い方もおられることは十分承知しています。顔も知らない不特定多数の人の健康を守るために、自分が酷い目に遭うかもしれないワクチンを打つことに納得できない方もいると思います。行政の立場を離れた今は、医師として最低限の公衆衛生の観点は持ちつつ、ひとりひとりの患者様の不安や疑問に共に向き合い続けたいと思っています。

インフルエンザ

インフルエンザウイルスによる急性熱性感染症で、A、B、Cの3型があり、通常、寒い季節に流行します。感染を受けてから1~3日間ほどの潜伏期間の後に、38℃以上の突然の高熱、頭痛、全身倦怠感、筋肉痛、関節痛などが現れ、咳、鼻汁、咽頭痛などの症状がこれらに続き、およそ1週間で軽快します。

かぜ症候群の項目でも書きましたが、おそらくインフルエンザが特別なウイルスな訳ではなく、一般的なかぜ症候群の重症度よりも強めの反応がでる毒性で人間と共生を模索しているウイルスなので、別枠であるかのように扱われているものになります。もしかしたら数百年後くらいには一般的な風邪と同じ程度の軽症ですむウイルスに変異しているかもしれません。そのころにはワクチンも必要なくなっているでしょうし、わざわざインフルエンザと区別しなくなっているかもしれません。主な合併症としては肺炎、脳症が挙げられます。通常のかぜ症候群とは異なり急激に発症し、全身症状が強いことが特徴です。

季節性インフルエンザはいったん流行が始まると、短期間に多くの人へ感染が拡がります。二次感染、合併症の予防のためにも、できるだけ早く受診することが大切です。新型コロナウイルスの対策のために手指消毒とマスク着用、密の回避が徹底された時期はインフルエンザの報告が激減していました。感染対策を徹底すると、人との関わりを楽しむ機会が奪われてしまいます。社会機能が機能する程度に人との関わりを楽しみつつ社会活動を行い、基本的な感染対策を続けながら予防に努め、気をつけていても罹るときには罹りますから、そのときには栄養と休養をしっかりとりつつ、対症療法で回復に努める、そのようなこれまでと同じ日常を続けることが大切なのだと思います。

ワクチンは重症化を抑える効果があります。基礎疾患のある方、ご高齢の方、これらの状況にある方のご家族や支援者様は、ワクチンを受けていただくことに十分な意味があると思いますので、ご検討ください。

急性胃腸炎・感染胃腸炎

胃腸炎のほとんどはウイルス感染(ノロウイルス、ロタウイルス、アデノウイルスなど)で、一部に細菌性(腸炎ビブリオ、サルモネラ菌、カンピロバクター、腸管出血性大腸菌など)が見られます。ウイルスが付着した料理を食べたり、手指についたウイルスが口に触れたりすることで感染し、冬場、幼稚園や小学校などで集団発生することも少なくありません。

近年の温暖化で海水温が上昇している影響もあると言われていますが、新鮮な魚介であっても腸炎ビブリオ菌がついている場合があります。受診の際には、前日あたりからの食事内容などを確認することになりますが、新鮮なものだから関係ないだろうと思わず、忘れずに教えていただくことが必要です。また、アニサキスなどの寄生虫による食中毒もあります。

十分火が通っていない鶏肉などを食べることで感染することが多いカンピロバクターは、高熱と胃腸症状を引き起こすことでよく知られていますが、感染後にギラン・バレー症候群という免疫機能の暴走がきっかけで麻痺状態になる病気のきっかけになることがありますので特に注意が必要です。

症状は下痢、腹痛、嘔吐、発熱が多く、治療は脱水を予防し、症状に合わせた内服薬を服用します。細菌性が疑われる場合には抗生物質を使用することもあります。脱水予防には、自宅で出来る経口補水療法(ORT oral rehydration therapy)が効果的です。胃腸の粘膜は胃腸炎で荒れても、24時間程度、食事を控えつつ水分や塩分はしっかり摂り、最低限の消化負荷に抑えてしっかり休ませることでかなり回復します。

アレルギー性鼻炎

アレルギー性鼻炎には、スギ花粉やヒノキ花粉などが原因で起こる「季節性アレルギー性鼻炎(花粉、ハウスダストなど)」と、ハウスダストなどが原因で季節に関係なく起こる「通年性アレルギー性鼻炎」があります。さらっとした透明の鼻水、鼻づまり、発作的に起こる連発するくしゃみが主な症状で、空気中に浮遊する原因物質(アレルゲン)が鼻の粘膜から体内に入ることによって起こります。

アレルギー性鼻炎の治療には「薬物療法」、「アレルゲン免疫療法」、「手術療法」があります。また、症状の原因となるダニやスギ花粉などのアレルゲンを回避する環境を整えることも重要です。当クリニックでは抗アレルギー剤による治療でサポートいたします。

湿疹・蕁麻疹(じんましん)

湿疹は皮膚に炎症のため痒みを伴い、ジュクッと荒れている状態です。本来皮膚が持つ、細菌やカビ・ウイルス・アレルギー原因物質から守る機能が破綻していますので、さらに炎症がひどくなり治りにくくなっている場合があります。適切なスキンケアが基本にあり、その上で炎症を抑えるための治療や細菌感染があれば抗生剤、アレルギーが関わっていれば抗アレルギー剤での治療を併用します。

蕁麻疹は皮膚に現れるアレルギー反応の一つですが、気温の変化や疲れの蓄積、かぜに罹るなどの体調変化などがきっかけになることもあります。ヒスタミンという物質の影響で腫れますので、その働きを抑える抗ヒスタミン剤での治療を行います。

軽く冷やすことで痒みや腫れを軽減する場合もあります。蕁麻疹が喉の辺りに出てしまうと、空気の通り道が狭くなり呼吸困難になる場合があります。ひゅーひゅーという呼吸音がする場合や顔色が悪い場合は、救急対応ができる医療機関への早急な受診が必要です。

不眠・日中の眠気

不眠とは、寝つきが悪い、中途覚醒がある、朝早く目覚めてしまう、のいくつかがあり睡眠時間が短くなって熟眠感が得られない状態です。疲れ過ぎた時や、日中大きなストレスがかかった時など、一時的な不眠状態になることもありますが、その後回復していれば心配はありません。継続的なストレスに伴い不眠が続く場合や、うつ病に伴う不眠は治療が必要な場合があります。

単に睡眠導入剤で眠らせれば良いわけではなく、原因となっているストレスやうつ病への対処や治療が必要になる場合が多いです。しっかり眠れるようになることでストレスを処理できるようになったり、うつ病が回復する場合もありますので治療方針については、個別に考える必要があります。

一つ言えることは、漫然と睡眠導入剤を処方することが一番避けるべき対処になります。眠るということは、眠る前の行動や眠る環境と強く結びつきやすい生活習慣で、眠れない理由となっている行動をやめたり環境を整えることで改善する場合もあります。当クリニックでは薬物治療だけでなく、必要に応じて睡眠衛生指導や認知行動療法を行います。